「隆ちゃんわがまま言っていい?」


由佳は僕に聞いてくる。


「うん。いいよ」


「お腹すいた」

由佳がそう言うもんだから僕は笑ってしまった。


「こんな状況でもお腹すくんだなって私思ったよ」

自嘲気味に由佳は笑う。


「キッチン借りていいなら僕が作るよ。何食べたい?」


「オムライス」

「うん。作るよ」


僕がキッチンを借りてる間由佳は何度かお隣を気にしていた。

多分百合さんのことだ。
部屋の灯りを気にしているんだと思う。

由佳の気持ちを考えると鼻の奥がツーンとした。




「由佳、できたよ」


由佳はオムライスを見て笑顔になる。


「美味しそう」


「「いただきます!」」


二人の声は揃って食べ始めた。


「隆ちゃん、美味しいよ!私より絶対料理うまい!」

由佳はそう言って笑った。


「僕は基本的なものしか作れないよ」

そう言って笑うと


「私は基本的な物も作れませーん!」


そう言ってちょっと拗ねて見せた。


「隆ちゃんが私のお嫁さんになってくれたらなぁ」

そう言って由佳は笑った。


「相変わらず男前だね」


そう言った後で由佳から肩パンをくらった。


楽しい食事の時間だった。