歪な愛のカタチ

「デートしよっか!」

由佳はニコニコしながら言う。

「デート?」

「恋人同士がするベタなやつ。」

「つまりどういうこと?」

僕が言い終える前に由佳は僕の手を引き走り出した。

この時僕には由佳が本当のヒーローに見えた。


「隆ちゃん、この映画観よ!」


由佳が指さすのはベタベタなラブストーリー。


「いいよ。」


チケットを買い、ジュースとポップコーンを買った。


中に入ると見事にカップルばかり。

上映が始まると由佳は大人しくスクリーンを観ている。


内容は彼女がいる男を好きになった女性が振り向いて貰えるよう必死に頑張る、けど気持ちが伝わり恋人同士になれた時に事故で亡くなってしまうという話。

僕はラブストーリーは苦手だからあまり内容が頭に入ってこなかった。

隣からは由佳のすすり泣きが聞こえた。