「部屋こんな風になってるんだね。」由佳は緊張してるのか部屋の中をぐるっと見回していた。


「大丈夫だ、僕。由佳がいてくれたら大丈夫だ」


そう言った筈なのに僕の目からは涙が流れた。


「隆ちゃん?」


「とりあえず風邪ひくから風呂入りな」

由佳にそう告げた。


「やだ。隆ちゃん泣いてるし一人にできない。一緒に入る。」


とんでもない事を言うなとびっくりした。


「それはいくらなんでもダメ。じゃ、僕お風呂場の前にいるから由佳入ってくれる?」

そう言うと素直に頷いた。

スルスルと制服を脱ぐ音がし、僕は目を閉じた。由佳がお風呂に入ったのを確認して僕はまた涙を流した。

由佳の脱ぎ捨てられた服や下着を見てもやはりなにも感じない。


「隆ちゃんいる?」

心配なのか時折由佳の声がする。

「うん、いるよ」

そう言うと由佳は安心するようだ。