この出会いが全ての間違いだった
それに気づくのは遅すぎた。



[今日会える?]
ケータイの画面を照らし
心踊る言葉が並ぶ。
自然と顔も緩む

[うん!どこで待ち合わせする?]
すぐに返事をして
お化粧する。
この瞬間私は女は男よりも単純だって思う。
ファンデーションを塗って
キラキラとしたアイシャドウを塗り
アイラインで目をおっきく見せ
付けまつげを付けようとした時に
ピロンとケータイが鳴る、
人工的に作られたまつげを化粧台に置き
すぐさまケータイに飛びつく。

画面には優也の文字。
自然と笑みがこぼれる
それと同時に自分をバカみたいと思う
それでもよかった
幸せだから。

[美菜子が来やすい場所でいいよ]
こんな優しくてやすっぽい言葉だけで
胸が締め付けられるようだった。

優也は私よりも歳がひとつ下の19歳。
わたしは成人してたけど
飲みに行けないと思い
[じゃぁ○○のカラオケは?]
と提案してみる。

返事はすぐにきた。

[いいね!じゃぁ14時にそこで!]
それをみて私はまた
人工的なまつげに手を伸ばし
どんどん素顔から遠のいていく。