精一杯の背伸びを




「おじさんみたいな人がいきなり現われたら、取り合いが起きちゃうね」



「幸いにして取り合いなんて起きなかったけど。都に勝てるなんて誰も思わないし、お似合い過ぎて認めるしかなかった」



 そういってお母さんは目を伏せた。



「仁くんは二人の血をしっかり受け継いだね」



 誰もが羨むような顔立ちと雰囲気は、おじさんとおばさん譲りだ。



「目の保養がいなくなって残念。小春は良いわね、目の保養が近くにいて」



「目の保養より、私には心のオアシスだよ」



 肩をすくめながら、切った野菜をフライパンに入れる。



「仁君、仁君ってそれも良いけど、友達も大事にしなさいよ」



「わかってるよ」



 私は頬を膨らませた。



「そうかしら?まぁ、良いわ。夕食のときにでも大学のこと聞かせて頂戴。お父さんも聞きたいだろうし。小春が明日でいなくなるって、しょげてるんだから今晩は付き合ってあげなさい」



 結局、この夫婦もなんだかんだでお似合いだし、仲が良い。


 おじさんとおばさんに負けてないと思った。


 お母さんは否定するだろうから私は何も言わずに、にっこり頷いた。