精一杯の背伸びを







「本当に小春にも感謝してる。葬式で盛大に泣いただろ?」



「あっ…あれはごめんなさい。私があんなに泣いてたら仁くんが泣けなかったよね。本当にごめんなさい」



 彼が大泣きしていた私の頭をいつものように撫でてくれたのを覚えている。


 仁くんが一番つらい時にまで甘えていた自分に嫌気がさす。



「だから感謝してる。十五にもなって泣けるか、ってあの頃思っててな。だから、あれだけ小春が盛大に泣いてくれて、俺もすっきりした」



 彼が本当にそう思っていることが伝わってきた。



「俺は水野家一同には返しきれない恩があるな。父さんも母さんも、小春たちがいたから俺のこと心配もしないで、向こうで楽しくやってるんじゃないか」



「でも、うちのお父さんと同じように成人した仁くんとお酒を酌み交わしたいとは思ってるんじゃないかな?」



 彼はお墓に再び顔を向け、そうかもな、と呟いた。