「ごめんなさい。嫌味じゃないんです。そう聞こえたかもしれないですけど、違うんです」
佳苗さんは必死に訴えた。
だから、何が言いたいの?
いい加減にして!
そう怒鳴りつけようと思った。
私は佳苗さんのほうを振り向いた。
怒りのまま。
だが。
振り向いたと同時に自分に向けられている視線に動きが止まる。
彼女はきっと私が背を向けている時から、ずっと私を見ていたのだろう。
まっすぐに私を見ている。
あんなにおどおどしている人なのに、瞳は揺らいでいなかった。
その瞳に、自分が映り戸惑う。
私の目を見据えたまま逸らさない。

