精一杯の背伸びを






 部屋に戻ると、小夜ちゃんはすでに戻っていたらしく私に駆け寄ってきた。


 その顔は上気してて、必死に探してくれたことがわかった。



「ごめんなさい」



 同じ言葉を繰り返すしかなかった。


 二人ともも目がすっかり覚めてしまったようでお茶とお菓子をテーブルに広げた。


 その頃にはすでに四時近くになっていた。


 気まずい空気が流れる中、朔ちゃんが口火をきった。



「平気なの?体は?」



「うん。もうすっかり」



 私は頷く。


 そして二人の顔を見て、頭を下げた。



「ごめんなさい。心配かけて。あと旅行を台無しにしたことも。私がこんなだから楽しめなかったでしょ?」


 小夜ちゃんが苦笑した。


「小春ちゃんには申し訳ないけど、結構楽しんだの。なんとか滑れるようになったし。ねぇ。朔?」



 小夜ちゃんは朔ちゃんに目配せする。



「私も広也もね。広也なんて隙あらばナンパして一番楽しんでた。楽しんでなかったのは、小春と榊田だけよ」



 そうさせたのは間違いなく私だ。


 榊田君の優しさを踏みにじった。


 許してくれないかもしれない。