精一杯の背伸びを










 しばらくして、ようやく落ち着いた。


 目は真っ赤だし。


 頭は酸素不足か、もやがかかったようだ。


 こんな時間に広君を引き止めて、泣いたことを謝る。


 広君はぶんぶん首を振り、



「小春ちゃんは何にも悪くないよ!!俊が馬鹿だっただけだし!俺に関して言えば、小春ちゃんと二人で過ごせて、むしろラッキーだし。それだけでこの旅行の満足度が百倍は増した!」



 必死な様子の広君に私はぷっ、と噴き出した。


 そんな私を見て、広君は目を輝かせる。



「うん。小春ちゃんは笑ってたほうが良い。泣いている姿もそそるけど。絶対笑ってるほうが良い!」



 潤んだ真っ赤な目で、私は微笑んだ。


 鼻をすすり涙を拭いていると、足音が聞こえてきた。


 そしてスピードを落としきれず数歩、休憩室を通り過ぎて立ち止まった。