「あ、あの。良かったら小春さんも食べていってください。是非。今から作り直すのでお願いします」
私は顔を佳苗さんから仁くんに向けた。
「私、お邪魔じゃない?」
それに答えたのは佳苗さんだ。
「そんなことありません!!良かった。食べていってくださるんですね!」
うきうきと彼女はキッチンに戻っていった。
本当にどうしようもなく子供っぽい人だと思う。
「良い?」
そう再び仁くんに尋ねると、いくらかの微笑みを浮かべていた。
「もちろん」
お互いに歩み寄ることをやめた、諦めたような笑みを浮かべた。
視界に。
私の踵の高い靴と佳苗さんのぺったんこの靴が映った。
心に少しだけ。
ほんの少しだけ小波が立った。

