千の国の王子様は、その日
姫が翔んだ事に気付いてはおりません。
ピピピ。
ピピピ。
一羽のカナリヤが、王子の前に舞い降りました。
ピピピ。ピピピ。
その声も その姿も
見たこともない輝きで
これまで胸にしまいこんでいたダイヤより
ずっとずっと透明な
美しい輝きを持っています。
少しの間、王子様の側にいて
またすぐに、飛び去って行きました。
王子様が大切にしてきたダイヤのボタンは、
カナリヤ色に染まります。
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