『姫、ここです』 見るとシンは、姫のすぐそばにおりました。 『ここは、雨の部屋です』 「雨の…部屋?」 『そうです。姫は先程起きた事を憶えておいでですか?』 「えぇ。全部を見たわ。」 「でも私は、何も変わらない。」 「姿は変わってしまった様だけれど、こうしてシンと話せるのなら、私は構わないわ。」 『姫は…お強い方ですね。今の姿も、後に必ずや役に立つ時が参ります。』 『その時まで、しばし、ご辛抱を』 そう言うとシンは、姫の横で寝息を立て始めました。