『名前など、何の意味を持ちましょう?』 『姫の味方でいる事を誓っただけではご不満ですか?』 チラリと姫を見て、毛づくろいを始めました。 「ごめんなさい。そんなつもりじゃなかったのだけど……名前があるなら、名前で呼ばせて欲しいの。」 ひと呼吸おいて、まっすぐに姫を見据え 『シン』 『シンと申します。姫君様』 エメラルドの瞳は、ますます深さを増し、それはまるで、すべてを映すと言った井戸の色にも似ています。