「おーい!理央ー!!」


俺は声がした方に顔を向けた。


すると、そこには砂ぼこりをたてながらものすごい勢いで俺の方に走ってくるやつがいた。


「おはよっ!理央!!」


そして、そいつはその勢いにまかせて俺にぶつかってきた。


「…おはよ。」


多少よろけながら俺はこいつの挨拶にそっけなく答えた。


彼女も、突然俺にぶつかってきたこいつに驚いてるみたいだ。


「…え?!だ、大丈夫ですか? 」


「ん、平気。いつものことだから」


「…でも、お前後で覚えとけよ?(ギロッ)」


「ヒッ!!…理央、怖い。泣」



こいつにぶつかられるのはいつものことだから慣れてるけど、毎朝こんなことをされ続けたら俺の命が危ない。


「あ、あの…この人は?」


「ほえ?誰だこの子…」


「あ、えっと…私の名前は鈴森杏子です!」



「おれ?水野 翼(みずの たすく)。よろしくね杏ちゃん♪」


っ/////!?あ、杏ちゃん?!



「はい!よろしくお願いします!」


「あ、あの…」


おずおずと鈴森は俺の方をジッと見つめてきた。


「何?」


「名前…教えてくれませんか?」


「あー、俺の名前は結城 理央。…よろしく。」


「よろしくお願いします!」


彼女は俺の名前を知ると嬉しそうに笑った。