希美さんは話した。
自分が置かれている環境について。
頭が良く、両親から 過重なまでの期待を受けていること。
それに対して、模試の結果が良くなかったこと。
彼氏だった人に 酷いフられ方をしたこと。
友人関係が上手くいっていないこと。
自分が……本当の自分の気持ちが分からないこと。
全てについて、ゆっくりと時間をかけて 丁寧に話してくれたから、馬鹿な俺でも 十分に理解できた。
確かに、ツイてない時って とことんツイてないよな。
恐らく、希美さんにとっては それが今であって……明けない夜はない、だからこそ これがいつまでも続くわけじゃない。
希美さんにだって、それは分かっていて。
でも、だからといって、放っておける問題でもない。
少しでも早く、解決して、楽になりたい。



