「琴野……翔平さん、ですよね⁇」
「あぁ、はい、そうです。」
まぁ、そりゃあ バレるよな。
ずっと、顔が至近距離にあるような状態で長い距離走ってたし。
「ちょっと、待っててください。」
俺は近くに見えた自販機まで行って、テキトーに飲み物を買った。
「欲しい方、どうぞ。」
メチャクチャ走ったから、疲れたし、何か飲みたかったから。
「え、そんな……悪いので……」
「いや、2本も飲めないんで、もらってください。」
彼女は困ったような顔をしながら、
「では、お言葉に甘えて……」
とミルクティーを手にした。
必然的に俺は、残った カフェオレを飲むことになった。
けど、メッチャ走った後にカフェオレ、ってセレクトが悪かった。
あんま、飲んだ感じしない……ってか、そもそも、カフェオレとか 普段飲まないし。