2人 口を閉じる。
あてもなく歩いていたつもりが夜景が綺麗に見える高台にある公園に辿り着いていた。
「俺、会えたらずっと言いたいことがあって。」
希美さんに向き合う。
「俺、口下手だから 上手く言えないけど……貴女のことが好きです。
俺と付き合ってください。」
両手で顔を隠して俯いた希美さん。
きっと、泣いてる。
「泣かないでよ。」
俺は希美さんの頭を優しく撫でた。
「私、ずっと 翔平さんに聞きたいことがあって……」
「何でも聞くけど⁇」
「何で……、何で そんなに優しいの……⁇
何で、そんなに嬉しい言葉ばかりくれるの……⁇
私のこと、からかってる⁇」
俺、人から "優しい" って なかなか言われないし、自分が思ったことを言っているだけ。
ましてや、希美さんをからかうつもりなんて さらさらない。
「俺、優しくないし、自分勝手だし、今だって 自分の気持ちを最優先に動いてる。」
希美さん 相手に優しくしているつもりもない。



