「俺、希美さんに会ってから どの女の人を見ても 希美さんのことが頭に浮かぶようになって。」

「私は あの日の翔平さんの優しさがずっと心に残っていて。」

「もう、涙は止まったのか⁇
もう、持ち直したのか⁇

とか、すごい気になって。」

「どうして、こんな私にも、初めて会った私にも、優しく接してくれるんだろう、ってずっと疑問に思っていて。」

「携帯触ってる時は気づいたら、希美さんと一緒に撮った写真を見返したりとかしてて。」

「LINE、折角 交換したんだから 何かメッセージを送りたい、って思ってたけど 写真を送ってもらうためだけに友達になったのに あつかましいかな、って思っちゃって。」

「本当、また会いたい、ってずっと思ってて。」

「毎日、何か 話したいな、って思って 翔平さんとのトーク画面を開いていた。」

「今日、やっと会えた。」

「今日もいつもみたいにトーク画面を開いて、もしかすると あれは夢だったんじゃないのか、って思ってた。」

「俺、本当 また会える日が来たらいいな、って楽しみにしてて。」

「そうすると、LINEでメッセージを送り合うどころか まさかの本人に会うことができて。」

「時間 無理にでも作って 毎日、ここに来ていた。」

「しかも、翔平さんの方から話しかけてくれて すごく嬉しかった。」

「今日も忙しかったから ここに来るかどうか、迷ったけど ちゃんと行っていて良かった。」

「メッセージの交換でさえ、することは許されないと思っていたのに 今 隣を歩いて 言葉を交わしているのが翔平さんっていう事実を私は信じられない。」

「希美さんの気持ちはともあれ、俺は 願い通り 希美さんに会うことができたから。」

「この夢みたいな時間が終わらないでほしい、ずっとこの瞬間の中で生きていたい。」