「今 時間ある⁇」

彼女の首が縦に揺れたことを確認して、俺は話を続ける。

「なら、ちょっと歩きながら 話さない⁇」

「私はいいけど……」

意味ありげに口を濁した。

「ん⁇何か、問題でもある⁇」

「翔平さん、芸能人だから。
こんな私と歩いてるところなんて 見られたなら きっと……」

「そんなこと、希美さんが気にすることじゃない。

俺だって 普段は普通の学生なんだから、人付き合いとして 同じ学生とブラブラ歩いたりもするんだよ。」

"そういうのなら……" と希美さんは頷いた。