黒髪のリーダーがそんな俺を見て少し笑った。
俺が他の奴らを殴っていったのを見てただろうに、手をポケットに突っ込んだまま余裕な表情で俺を見ている。
「こいつ、には、手を出すな……!」
蹴られたところが痛むのか、裕也は腹を抑えて必死に声をあげた。
「……へぇ、ちゃんと分かってんじゃん。」
黒髪リーダーは「ハハハ」と声をあげて笑った。
「……君、ユキって言うんだね。可愛い名前。」
「黙れ……!裕也に何してんだよ!」
「何ってさ、こいつが先に俺達につっかかってきたんだ。喧嘩を買ってやったんだ、何が悪い?」
リーダーがそう言う間にも他の奴らが立ち上がって俺の周りに立った。
みんな警戒するように俺を睨んでる。
リーダーはちょっと首を傾げた。
「……お前は、ちょっとは強いらしいな。この人数を一瞬で片付けたんだから。」
俺も裕也も何も言えなかった。
勢いで飛び込んできたから、その後のことなんて俺は一切考えていなかった。
「安心しろよ。こいつはもう殴らない。もう十分。」
リーダーのそんな言葉を聞いて裕也は少し咳き込むと血を吐いてから口元を拭った。
殴られた時に口の中を切ったらしかった。


