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「…………」
夕日で空がオレンジになった頃、俺は1人で帰りながらため息をついた。
朝、裕也に「おもんなくなった」と言われてから裕也とは一度も話さなかった。
休み時間はいつも裕也の方から来てたから、向こうが来ないと会話は始まらないわけで
裕也は何か思い詰めている感じだった。
昼休み、集まりに参加してる先輩の1人にたまたま会った時「裕也どうかしたか?」と声をかけられる程だったけど、「なんでもないっす!」と言って笑ってた。
どうしたんだろうとは思ったけど朝の言葉から呆れられてる感じがして、なんとなくこっちからは声をかけ辛かった。
裕也と喧嘩したことは何度かあったけど、ここまで長かったのは初めてかもしれない。
俺は学校の1番近くの公園の横を通りかかってふと顔をあげた。
もう夕方から夜になり始めてる今の時間は子供もいない。
いつも賑やかな公園はひっそりしてて、さっきまで誰かが乗っていたのかブランコだけが少し揺れていた。
その時、俺は公園の隅に不自然に人が集まっているのを見て足を止めた。
一目見て分かった
あれは、不良グループ
自分が集まりに参加してるからか、よく見えなくてもあいつらが何してるのか大体分かる。
誰かを殴ってるんだ
何の理由があるのかは分からないけど、5、6人で1人を囲んで殴ったり蹴ったりしている。
よく見る光景なのに、俺はなぜかそれを普通の光景だと思えなかった。


