<由貴said>
「おはようございます、先輩!」
朝から俺達は校門の前でばったり顔を合わせた。
その偶然が嬉しくて、俺は思わず笑顔になる。
「おう、もう風邪はいいのか?」
「はい。昨日はわざわざ送ってもらって、ありがとうございました。」
麻耶は俺に笑顔を見せてから友達の元に帰って行った。
「あの人、有名な先輩じゃん!」
麻耶の友達が驚いたように俺と麻耶を交互に見た。
そのネクタイは青色。
特進クラスは各学年に1クラスしかないから、麻耶と同じクラスの友達だろう。
「有名...」
俺はため息をついて女子達の前を通り過ぎた。
俺が有名なのは、きっとあの集まりに参加してるからだろう。
「ほら、あの2年のかっこいい先輩!」
......ん?
俺は思わず足を止めそうになった。
......かっこいい?
「もー!先輩に聞こえちゃうでしょ!」
麻耶が慌てて俺を止めたけど、もう聞こえちゃってる。
俺はよく状況を掴めないまま教室に戻った。


