「大輝と付き合うとか、あり得なさすぎて笑える。」
「んなっ……!お前兄に向かってなんだその言い草!」
大輝はカンカンに怒っているようだが、麻耶はクスクス笑うとまたしんどそうに寝転んだ。
「だって事実でしょ。」
「こっちだって間に合ってるぜ。妹に手を出す趣味はないんでね。」
俺が麻耶の部屋にいることはもうどうでもよくなったらしく、大輝は金髪を揺らして部屋を出て行った。
「すいませんユキ先輩。騒がしくて。」
「あ、ああ……」
俺は大輝と麻耶が兄妹だったことをまだ飲み込めずに、ボーッとしていた。
「先輩がそんなこと思ってたなんてビックリしました。
大輝はシスコンみたいで、私に彼氏できたとか男友達と遊びに行くとか、昔から大反対なんです。
先輩が女の人だったらあんなにうるさくなかったとは思いますけど。」
俺は麻耶の左耳に目をやった。
そこには昔の彼氏の真似をしたって言ってたピアスの穴がある。
「……昔の彼氏のことも反対されたのか?」
その彼氏は大輝なんだとずっと思ってた。
大輝も左耳にだけピアスをしていたから
「昔の彼氏?」
麻耶は首を傾げた。
「ハルのことですか?」
ハル
ハルって言うんだ


