麻耶が、俺達と同じようなバイク乗り回して調子に乗ってるクズだなんて思いたくなかった。
「私が、先輩と仲が良かったから……」
麻耶の声に俺は驚いて麻耶を見た。
麻耶の目はもういつもの優しい目に戻っていて、じっと前を見ている。
「どういう……」
「大輝にずっと、ユキ先輩のこと話してたんです。
みんなに何を言われても自分はこれだって、信じて疑わない人がいるって。
そういうのってカッコイイよねって。
だって先輩タバコとか吸わないじゃないですか。みんなに陰口言われるの分かってるのに。
それをカッコいいと思って。」
麻耶の言葉に俺は自分の頬が熱くなるのを感じた。
心臓の音が麻耶に聞こえはしないかと、少し麻耶から離れる。
「そしたら大輝、『そんなにすごいやつならぶん殴ってみたい』って言い出して。
私があんまりにも褒めるから、大輝怒って…」
「ちょ、ちょっと待て。」
あの金髪男の顔が浮かんで俺は慌てて首を振った。
「そ、その大輝ってやつお前達のリーダーの、金髪男だろ?」
「はい。隣の高校の3年で、私達のグループの5代目です。」
「お、お前の……その……」
麻耶が首を傾げて俺を見た。
その綺麗な黒髪が目に入って、俺は息を飲んだ。
キーンコーンカーンコーン
予令が鳴り、俺の葛藤なんか知らない麻耶は慌てて立ち上がった。


