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1週間の入院が解けて、俺は学校の中庭にいた。
先に退院してた奴とか元々軽い怪我だけで済んだ奴らが笑顔で迎えてくれたけど、みんなどこか表情が暗かった。
午前中はいつも通り過ごして、昼休みになった。
裕也とは1度も話さなかった。
裕也は俺が入院している間も何度か見舞いに来てくれたりしたけど、ずっと気まずかった。
俺が麻耶のことを気にしたのが気に入らなかったのか、それからずっと闘争の話をすることはなくて
誰の怪我が治ったとか、誰がどこの病院にいたかとか、話すのはそんなことだけ
神崎先輩は相変わらず意識不明らしい。
俺も退院してから1度見に行ったけど、裕也の言った通り神崎先輩のお母さんが中に入れてくれなかった。
『後輩の方が何人いらしてくれても、私の気持ちは変わりませんから。
息子はもうあなた達とは何の関係もないの。もう集まりになんて行かせないわ。こんな危ない目にあうんだったら……』
お母さんはそう言って泣き崩れた。
俺はただそれを見ているしかなかった。
そんなことを思い出してため息を付いているうちに、気づいたら俺は1人で中庭に来ていた。
昼休みはいつも集まってたのに今日は誰もいなくて、賑やかだった中庭は本当に静かだった。
俺は木の間に座り込んだ。
もう、みんなで集まることはないのかもしれない
なんだかんだ言いながら、俺はあの空間が好きだったんだ。


