「みんなそれなりに怪我して、ボロボロ。救急車であちこち運ばれてったから、全員のことは分からない。」
みんなの怪我はどうなのかとか、無事なのかとかはもちろん気になる。
でも俺にはもっと気になることがあった。
「……神崎先輩は?」
裕也の肩が少し強張った気がした。
最悪の予感が俺の脳裏をよぎった。
「……死んだ、のか?」
「いいや。死んではいない、安心しろ。」
その含みのある言い方に俺はまた起き上がろうともがいた。
でも頭の傷にまた痛みが走って俺はベットに引き戻された。
そんな俺を裕也は険しい顔で見ていた。
「神崎先輩は、1番重症。…俺も詳しくは知らない。
神崎先輩のお袋さんが病室に入れてくれないんだ。」
「入れてくれない?」
俺は自分の声が少し震えていたのが分かった。
神崎先輩は、あの金髪リーダーとやりあってたはずだ。
「様子は…」
「意識不明の重体だって。いつ目覚めるかとか全然分からない状態。」
「俺、神崎先輩が向こうのリーダーとやりあってるの見た。」
裕也が少し目線を上げて俺を見た。
「うん。」
「俺、そこで倒れたけどさ…勝てるとは、思わなかった。」
裕也は少し俯いて、何か考えてるみたいだった。


