不良の俺とクールな後輩


始まってしまえば、俺にはもうどうしようもなかった。



飛びかかって来た奴を何人か殴り飛ばし、向こうから暴走してきたバイクをかわし、蹴りを入れてきた奴を地面に叩きつけた。



そんなことをしながらも俺は周りを見渡していた。



俺は男子の中でも背が高い方だから、結構向こうの方まで見える。



それでも裕也も麻耶も神崎先輩も、誰も見つからない。



闘争の真ん中にいるしゆっくり探してる暇もなくて、人を殴ってはキョロキョロしてた俺の目にとまったのは明るい金髪だった。



大輝とかいう金髪は襲いかかってきた奴を蹴り飛ばして態勢を崩すと、そのままそいつの肩を掴んで顔面を地面に叩きつけた。



うっわ……あれ絶対首イッタわ



そんなことを考えている内に大輝が顔を上げ、俺達の視線がバッチリあった。



大輝はニヤッと笑うといろんな奴を押し分けてこっちにやって来る。




「よお、強そうな奴!お前らのお頭知らねぇ?ちょっと2人きりで殴り合いたいんだけどな。」




そんなこと言われても、神崎先輩がどこにいるのかは俺が知りたいぐらいで



大輝はすぐに俺のところに来ると突然殴りかかってきた。



俺はそれを避けて殴ろうとしたけど、やっぱり向こうのリーダーなこともあって上手くいかない。



それを見て大輝は声をあげて笑った。




「お前も他の奴らと同じか!?」




大輝は大きな声をあげて笑った。




「お前も弱いのかよ!おもんねぇグループだな!」




大輝はその間にも後ろから殴りかかってきたやつに頭突きをくらわして、本当に楽しそうに笑った。