リーダーっぽい金髪のやつ以外もメンバーは大抵茶髪とか、金髪とか、そんなのばっかりな中で
何ですぐに分からなかったんだろう
まっすぐな肩までの黒髪が、金髪の男のすぐ隣にいた。
金髪の男が乗っていたバイクの後ろに乗っていたらしく、バイクにもたれてこっちを見ていた。
麻耶は学校で見る麻耶とは大違いだった。
髪の毛こそいじってないけど、服は派手だし目は鋭くて俺達でさえ恐怖を感じるほど
『彼氏の真似してあけたんです。』
そう言って触っていた左耳の穴にも、ピアスがついていた。
「ま……や……?」
俺の声に顔をあげた裕哉が、麻耶を見て目を見開いた。
「あ、あいつ…!」
「あ?なんだお前ら。」
金髪の男は眉を寄せると麻耶の肩に腕を回した。
「麻耶の知り合いか?お前らみたいな弱そうなやつら、麻耶が相手するわけねーだろ。」
裕哉が焦った表情で俺の方を見る。
それに気づいたのか金髪の男と麻耶も俺の方を見た。
「ま、麻耶……」
麻耶は俺を見て驚くことも、鋭い目を緩めることもしなかった。
まるで、初めて見たあの日のようで
あの時感じた違和感はこういうことだったんだって、納得する自分がいた。


