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「吉原。お前はなんでいつもそうなんだ。」
放課後
なぜか俺を呼び出した口うるさい英語教師はいなくて
いたのは1年の時に担任だった体育の教師
こいつは教師の中でも不良の扱いに慣れてるやつ
1年の時も何回か世話になったしその時もいろいろ話を聞いてくれて、俺はそんなに嫌いじゃなかった。
「久しぶりっすね。」
「ああ久しぶり。ってそうじゃなくてだな吉原。」
嫌いじゃないけど、ちょっと話が長い。
「お前はなぁ、去年から思ってたけどもう少し授業で寝ない努力をしたらどうなんだ?
今回も急に放課後指導を頼まれて誰かと思えばお前だろ?
進級もギリギリだったんだからお前、もう少し『今年は頑張ろう』とかそんな気持ちないのか?」
そのまま喋り続けるこいつを無視して、俺は「進級もギリギリだったんだから」の言葉で昼休みのことを思い出した。
俺は「あとは俺に任せてもらえませんか」って言ったけど、そのすぐ後に予鈴がなってみんな自分の教室に戻って行った。
神崎先輩は最後まで機嫌が悪そうだったし、摩耶は何事もなかったような顔をして中庭を出て行った。
俺が声をかける暇もなく
気付いたら午後の授業は終わってて、気付いたら説教が始まってた。
「お前、聞いてるのか?」
「は?」
「は?じゃない。聞いてなかったんだな吉原。」
教師はため息をつくと俺の前にどさっとプリントの束を置いた。
「…なんすか。これ。」
「ん?プリントの束。」
いや、さすがに俺でもそれぐらいのことは分かるって
俺の言いたいことが分かったのか、教師は声を上げて笑った。
「じゃ、後よろしく。俺は隣の職員室にいるから終わったら声かけてな。これに懲りたら今度は寝過ぎないようにな。」


