麻耶がニコッて笑って言った。
「そうなのか?由貴。」
神崎先輩の声が聞こえて俺は焦った。
俺は人にどう思われるとか気にするわけじゃない
だから特進科の麻耶と仲がいいって思われることは痛くもかゆくもねーけど
「…はい。まだ。」
一応、まだって付けとく
女子と仲良くなりたいとか、一瞬でも思った自分に俺は驚いていた。
麻耶に「仲がいいとかそんなんじゃない」って言われて、少し胸が痛かった。
「まだって、お前。」
裕也が呆れたようにため息をついた。
「あなた達が青ネクタイを嫌うのも分かるんですけど、この際少し忘れてもらえませんか。」
麻耶の凛とした声が響いた。
麻耶は、欠片も怖いとかそんな感情はないようで
口は笑ってるけど、目が笑ってなかった。
俺が1番始めに感じた、あの冷たい目
それは何かを諦めている目のようにも見えた。
「ここに集まるの、辞めてもらえませんか。あ~、それもひどいか。控えてもらえませんか?」
「あ?なんでだよ。俺達はずっとここで集まってんだよ。」
「あ~!!!」
神崎先輩の声のあと、最近入ってきた1年の声が響いた。
「こいつ、西村麻耶!前の中間で学年1位だったやつです!」
青ネクタイで、学年1位
それは生徒会長とまったく同じで、生徒会長と敵対する神崎先輩の顔が余計に険しくなった。
あいつ…余計な情報喋りやがって…


