「うわぁ!」
俺は突然後ろから聞こえた声に驚いて飛び退いた。
そこにはしゃがんだ麻耶が居て、俺を見上げるとニコッと笑った。
「昨日はどうもありがとうございました。吉原先輩。」
いきなり俺が飛び退いたのと、いきなりの女子生徒の出現にみんな目がまん丸になっていた。
「な、ななな……!麻耶!!」
「はい?なんですか?」
「なんですかじゃねーだろ…なんでこんなとこにいるんだよ。」
俺の言葉に、麻耶は立ち上がった。
「タバコの臭いがしたんで、また先輩方が集まってるのかなぁと思いまして。」
麻耶が立ち上がると同時に目に入った青ネクタイに
その場にいた全員の目が鋭くなった。
「青ネクタイが何の用?」
神崎先輩の言葉に、みんな麻耶を見上げた。
その目はどれも敵意むき出しで、俺は慌てて麻耶の前に立った。
「いや、あの…こいつは……」
「吉原先輩とはちょっと顔見知りなだけです。仲がいいとかそんなんじゃないんで、勘違いしないで下さいね。」
その言葉に俺は驚いて振り返った。
俺1人を恐れずに中庭に入って来たときもびっくりしたけど
この人数の前で、しかも全員不良の集まりの中で堂々としている麻耶を見てもう驚くとかのレベルじゃなかった。
「な……!!お前!」
「そうでしょ?吉原先輩。」


