不良の俺とクールな後輩


「んなワケねーだろ、くたばれ。」



「やーだね。ユキに殺されてたまるかよ。」




だからその名前で呼ぶなって





そう言おうと思ったとき、俺達が入ろうとしていた食堂からザワザワと、人が騒ぐ声が聞こえてきた。




「あ?なんだ??」



まぁまぁ広い食堂のど真ん中に人が集まっていて、何かを囲んで見ているようだった。



「おいユキ!面白そうだから見に行こうぜ!!」




俺達には、それが何の騒ぎなのか一発で理解出来た。




昔から、俺達に馴染みのあるもの





男子生徒同士の喧嘩らしい






「ああ!?俺がどこで何を食おうと、俺の勝手だろうがよ!!」




「だから、食堂に来るなと言ってるわけじゃないだろう!

来るんなら迷惑かけないようにしたらどうかって言ってるだけだ!」




しかも片方の声には聞き覚えがある。




俺達が人混みをかき分けて1番前に出ると、そこには神崎先輩がいた。




神崎先輩の前にはもう1人、青ネクタイで背の高い男子生徒がいた。




青ネクタイだから特進科


神崎先輩にこんな口きけるんだから、たぶん3年生




「いちいちうるせぇんだよ!青ネクタイの真面目野郎はどこまでも頭が硬いんだな!」




「この際ネクタイの色は関係ないだろう!お前の態度を改めろと言ってるだけだ!」