「お母さん!お帰りなさい!」
「ただいま麻耶。」
母親も俺の思ってたより断然若いわけで
ニコッと笑った顔は誰もが見とれるような綺麗な顔だった。
「遅くなったわね。この家に帰ってきたのは3ヶ月ぶりぐらいかしら?」
母親は笑顔のまま俺を見た。
「あらかっこいい子!麻耶、いい人捕まえたわね!」
「だぁから、彼氏じゃねえっ「あら、誰も彼氏なんて言ってないじゃない。」」
大輝に言葉を続けさせずに母親は俺の手を掴んでブンブン振った。
「よろしくね!これからご飯作るんだけど、食べていくでしょう?大丈夫よ。
遅くなったら誰かに家まで送らせるわ。なんなら泊まっていく?
部屋はたくさんあるし……ああ、私達の仕事の事を気にしてるんだったら大丈夫よ。
あなたのご両親や家族にはなんの影響もないようにこっちから手配を……「お母さん。」」
一気にまくし立てる母親に俺が圧倒されてるのを見かねたのかため息をついた麻耶が助け舟を出してくれた。
「先輩が困ってるでしょ。」
「あら?ごめんなさいね、かっこいいからつい。」
よく分からない事を言って母親はまた笑った。
「俺の母親の五十嵐 佳奈子。……見ての通り面食い。」
「まぁ、ひどいわね。だけど言い返せないから悔しいわ。」
大輝の言葉に母親はふん、っと息をついた。
「まぁ、何でも好きなように呼んでちょうだい。
これからもあなたがこの家族に関わってくれたらの話なんだけど。」


