〈由貴side〉

「ユキ!」




みんなこの名前を女みたいだって言う。




「うるせぇ。その名前で呼ぶな。」




人がせっかく朝の授業サボってゆっくり寝てるのに



中学からの馴染みである裕哉はタバコを持って俺の隣に座った。




「お前って本当付き合い悪いよな。」




俺がサボった時によくいる裏庭はなかなか人が来ないから、裕哉や他の仲間はタバコを吸ったりする時に使う。




「昨日も集まり来なかっただろ。神崎先輩も呆れてたぞ。」




「昨日は眠かったんだよ。」




「そりゃあ、集まるのはほとんど夜だから眠いのは分かるけどな。」




裕哉が吐き出した煙がツンと鼻にきて、俺は無意識に顔をしかめる。



これは、いつもの癖。




「お前もいる?」




「毎回言わせるなよ。」




「はいはい。お前、それが付き合い悪いっていうんだぜ。

タバコも酒もしない、髪も染めない、集まりにもこない。

ケンカは強いからグループには残れてるけど、そろそろ周りの目も考えろよ。」




「………」




裕哉は、学校に入ってすぐからずっと忠告してくれている。