あなたの世界、わたしの世界

双子の義母、慶恩寺 奈穂の仕事部屋に着くと二人はため息を吐いてから入っていった。

「失礼しまーす」

双子の声にすらっとした短い黒髪の女性が振り向いた。

顔を見ると相当お怒りらしい。

般若の形相だ。

「もう、どーしてあなたたちはそこまでの記憶力を持ちながら約束を忘れられるわけ？」

「だって興味無いんだもん…」

「ちょっと舞穂！」

舞奈が慌てて言うが奈穂さんには聞こえてしまったらしい。

ピクッと片眉をあげて今にも怒鳴りそうになっている。

舞奈は双子の妹を睨んだ。

だが舞穂は平気にしている。