あなたの世界、わたしの世界

「ねー舞奈」

「なにー舞穂」

「そろそろ帰らなきゃいけないよー。」

「あー本当だ」

二人は同時にため息を吐いた。

また人目にさらされなくてはいけないのか…。

というのも、この双子の見てくれと才能のせいで廊下を通るたびに好奇の目線が付きまとうのだ。

「うーん、校舎に人、あまりいなかったらいいね…」

「まーどうせまだまだいるだろうけど」

部活動が活発な学校なだけあって遅くまで頑張る生徒も少なくはない。

双子はもう一度ため息を吐いて図書室のドアを開けた。