「セルの家のことで知りたいことがあるんだけど、良いか?」
うん。面倒なことになりそうな予感しかしない。
そう思いつつも続きを促そうとした時。
「オーラン!私語を慎みなさい」
''ファルート・オーラン''先程''ルト''と呼んだ私を起こした奴だ。
あーあ。下手くそだなー。
普段ならルトも抜かりなくやっているはずだが、今日はそんなことを気にしない程に何か焦っているみたいだ。
ただバレたのが初めてだったので軽い注意と誰かを当てる予定だったであろう問題をルトに解かせてその件は終わった。
またルトが私に話しかけようとすると終業のチャイムが鳴り響いた。
今日は午前だけしか授業がなかったためコレで帰れるのだが、ルトが何を話すのか聞こうとしたところ
「っ、ごめん。今日急いでて、一緒に帰れないんだ。俺から聞いといてあれだけど、明日聞き直すからよろしく」
そのまま、じゃあな。と言いながら先に走って教室を出で帰ってしまった。


