……可愛いな
悠理は可愛い。
素直で元気で、だけど天然バカ。
けれど、天然バカとその可愛らしい見た目から、女子達の間での評価は良くはなかった。
『キモい』『ぶりっこ』『遊び人』
そんな言葉が毎日のように悠理の周りを飛び交う。
それでも悠理は笑っている。
多分、心の何処かではものすごく傷付いているはず。
「ミラどうしたの?」
「なんでもない、行こう」
「うんっ!」
悠理を守れる人はいない。
あの笑顔を失うのはあたしにとっては自分の大切なものが無くなるのと同じ。
あの笑顔が無くなるくらいならこの力を使って守るんだ。
あたしが、あたししかいないんだ。
悠理がいつか、本当の笑顔を向けてくれる日まで
必ずーーー…

