あるところに、ある特殊な能力が備わった種族がいた。



彼らはその能力故に人々からは、悪魔の力などと言われ人の住む街から遠く離れた森の中で自らの手で家を建て畑を耕し暮らしていた。


その能力というのが、人並外れたバケモノのような身体能力。


3キロの距離をたった5分で走りきる強力な脚力と体力。

1キロも離れた場所にいるウサギさえも見つけられる視力。

自分の倍以上の物を持ち上げる腕力。



これらの能力の所為で、人々からは忌み嫌われ“悪魔の生まれ変わり”と呼ばれるようになった。



それでも彼らはいつの日か互いに支え合い、協力しながら生きて行けると信じてあの日までの日々を過ごしていた。



そんなある日ーーー…



『おいっ!その目どうしたんだっ!?』


その日、ひとりの子供が片目に酷い怪我をして戻って来た。


『ひッ、…森歩いてたらねっ、突然石が飛んで来て…僕っ、ビックリして振り返ったらおっきい男がいてッ…目をっ!』



片目から流れる赤黒い血。

ポタポタと落ちるその血は空気に触れた瞬間赤く光る石へと変わった。