『先生…頼ってよ…』 次の瞬間,あたしは先生を腕の中へ導いた なんだかこうしていないと先生がどこかに行っちゃう気がしたんだ 『…ッ』 あたしの腕の中で小刻みに震える先生が小さな子供に思えた あたしはゆっくりと右手で先生の髪を撫でた さらさらで少しタバコの香りがした 『先生,独りじゃないからね』 月明かりの夜 あたしの言葉だけが車内に響いた