ただ君だけを。

「あー、ここここ。」

「ここかぁ…。」


嫌そうな顔をして、指をさす優。

どうやら、本当に苦手らしい。


「こんな方式、将来使わねぇっうの。」


なんて、いかにもって感じの言い訳をしながら

何かを取り出して

パカッっと蓋を開けた。


…。


「優って、眼鏡だっけ…?」

「…眼鏡かけてちゃ、悪いかよ。」


そう、視線をそらしながら言う。


…黒縁眼鏡。



似合ってる。



「カッコイイ、ね。」


「…え?」


!!!!

時すでに遅し。


私ってば、何言ってんの///


「お前、今なんて言った…?」



優は、私の顔をのぞき込み

上目遣いで、訪ねてくる。










ドクッ――――


ドクッ


心臓―、


止まれ―…。



心臓の心拍に合わせて

どんどん頬が、染まってく。







――――なんで…。