それは高校三年の秋だった。


ある日、私が放課後忘れ物を取りに教室に入ろうとすると


「あぁ!優衣ってマジでウザイ!いつもうるさいし。ちょっと可愛いからって調子乗んなよ!
恋愛相談も自慢にしか聞こえないし!」

「でも優衣って可愛いじゃん?一緒にいるだけでイケメンと話せるし。
その為に一緒にいるんだから我慢だよ。」

…私達、親友じゃないの?

私の事、そんな風に思ってたの?

「だってみんな最初は優衣狙いじゃん?
私達の事なんて初めはおまけにしか思われてないし。」

「確かに。智喜も最初は優衣狙い。
優衣にフラれて落ち込んでるのを私が慰めて付き合い始めた。
口では“良かったね!”とか言ってるのに心の中じゃ“私のお下がり”ってバカにしてるのかな?なんか腹立つ!」

そんな事無い!
本当に嬉しかったのに。

「…優衣って豊の事が好きって言ってたよね?豊に悪口でも吹き込む?」

「賛成♪」




…………信じられなかった。

親友だと思ってた恵と瞳の声だったから。