変な感じ。
どうしたなんだろう


こんな人がいっぱいいるのに
私に見えるのはレツだけ。


レツはフッと笑うと
優雅に立って私の元へと歩いてくる


いきなりの事で目を見開いて
酷い顔をしているだろう私を
気にしないでレツは歩いてくる


制服姿なのにBlue stoneに
いても違和感が全くないのは
やはり、レツとショウシだからで
私なんて違和感ありあり。


今更自分の外見に気がついて
恥ずかしくて俯いていた。


こんな制服でどうして、
Blue stoneなんか来ちゃったんだろ…


こんな姿でレツの隣で歩いていた
能天気な自分が恥ずかしかった


そんな事知る由もないレツは
私の目の前にとうとうやってきた


まるで化け物が来たような感じ
なんて口が裂けても言えないけど。


「…ショウシと来たのか?」


と聞いてくる低くて居心地のいいハスキー声。


こんなけ重低音が流れてるのに
レツの、声は綺麗に私の耳に
入ってきてコクコクと頷くと


「へぇ…」


と声がさっきより低くなるのがわかった


「まぁまぁそんな怒らないでよ
1人にするわけには行かないでしょ?」


と、隣にいたショウシが
欠かさずフォローを入れるが
レツはそんな、ショウシを無視して
私の肩に手を回す。


『…!!』


レツが肩を回した瞬間
周りから聞こえた悲鳴にも
似た叫びにレツは眉を寄せるが


一番びっくりしたのは
悲鳴をあげた女たちじゃなくて。


『あの、レツ?』


「あ?」


いや、あ?じゃないでしょ


『……腕』


とレツの腕を見ると
レツも私の視線と同じ位置に落とす


「……離してほしいのか?」


離してほしい?


『離してほしくない』


なぜか私は無意識に
そう答えていた。


それを見てレツは満足そうに
微笑むと、私の肩に腕を回したまま
さっきレツが、座っていたソファーまで
二人で歩いた。