『…可哀想だね、レツ、さん』
年齢も知らないのに
いきなり、呼び捨てもどうかと
思い一応さん付けした。
「……」
『ほら、その眼。
何もかも拒絶してる眼。
……私と一緒ね。
可哀想な人間……』
その瞬間レツの眉間に
皺がよったと思ったら
ベッドに押し倒されていた
いきなりの状況に
心が追いつかないでいたが
体は慌てたりなんともしなかった
「……お前は自分の立場ってもんが
理解できてねぇらしい」
冷たく嘲笑うこの人を
私は下から見つめる。
その表情は無表情だろう。
なんてこんな状況でどうでもいいことを考えている私って相当な度胸の持ち主なんだと思う。
いや、違うか。
あえてこういう状況だから
落ち着いているのかもしれない。
「…口があんなら頭んなかでペラペラ喋ってねぇで口でなんか言えやコラ」
と本気で切れかけるレツを
ぼーっと見上げていると
次の瞬間。
『んっ…』
なにが起きたかわからなかった。
体がいきなり重くなったと同時に
唇に柔らかい感触。
……キス、されてるんだ

