『……な、に』
「来いよ」
そう意地悪にいうレツの
視線はさっきレツがでてきた部屋で
何を思ったのかショウシが
いきなり血相を変えて私の
目の前に立ちはだかる。
「おいレツ。ケイちゃんを
巻き込むんじゃねぇ」
低いショウシの声に
私はショウシを見上げるけど
ショウシを、見上げても
ショウシの背中しか見えなくて
……もどかしさを感じた。
「あ?
どーせこの女もおなじだろ?」
と冷たく言い放たれたレツの声
「ケイちゃんはそんな子じゃない
頼むからケイちゃんはやめてくれ」
「なにお前。その女に惚れ込んでんのか?」
とおかしそうにクスクス笑い出すレツ。
それに対してショウシは
「そんなんじゃねぇよ」
と否定する。当たり前だよ。
私なんか好きになったっていいことなんかないんだから。
「……へぇ面白れぇじゃねぇか、華衣」
と名前を呼ばれたので
ショウシの大きな背中から
ちょこんと顔を出すと
そこには悪戯に笑っていたレツ
普通の男がしたらキモいしか
思わないのに レツはその整いすぎた顔立ちからか、むしろかっこいいとしか
思えなくて。
「ショウシがいう こいつと他の女の違い見せてもらおうじゃねぇか」
とレツが言ったのを最後に
私はレツに腕を引っ張られていて
奥の部屋へと押し込まれた。

