届かない手は 宙にまい
行き先を失う。
ーー…無意識に伸ばしていた。
触れてみたいと思った
汚れもない。綺麗な空を
触れてみたいと思った。
なんて私らしくもない私は
フッと嘲笑いながら
フェンスに強く背中を預けた。
私らしくもない。
どうしたんだろう…
空に手を伸ばすなんて
本当 ただの馬鹿じゃんね
綺麗な空に手を伸ばして
触れてみれば
ー私も染まれるのかと思った
図々しいのは承知の上で
綺麗な汚れ一つない空に
触れれば、綺麗に染まるのかと思った
そんなことをかんがえながら
ついさっきから誘ってきた睡魔に
抵抗する気もさらさらなく
私はそのまま意識を手放したーー……