私の名を呼んだ男は私のところまで走ってくる。
それをただ無表情で見つめる私。
やがて私の目の前に来た男は
「俺のこと覚えてる?」
となんとも痛い質問を私に言う。
覚えてるわけがない。
いちいち寝た相手なんて覚えないし
覚えようとも思わない。
なんて、私の考えてることがわかったのは金髪は「そうだよねー」なんて
おちゃらけながら言った後
「改めて、コウキだよ
よろしくね?…って今更か」
よろしくね?
今更?
笑わさないでほしい
よろしくもするつもりもないし
今更もなにもこれが私の日常茶判事
『……私学校行きたいんだけど』
上目遣いで見上げると大抵の男は落ちる。
いや、落ちたことのない男はいない。
…ほら、コウキだってほおをピンクに染めちゃって
私はクスッと笑うとさらに、ピンクにするコウキ。
「あー……ね?今晩ダメ?」

