ズキズキ。チクチク。 直接的な痛みを感じているわけではないのに、何かが刺さる感覚が私を襲う。 無意識に胸のあたりで拳をつくる。 __私、こんなの知らないよ? 「もうやだ……」 「何がヤなんだよ?」 「へ?」 この時間に、誰かの声が聞こえるはずなんてない。ましてや、ずっと頭の中を支配している幼なじみの声が聞こえるなんて。と、私には理解ができなかった。 しかし、振り向いてみると、そこには大翔の少し不機嫌そうな顔があった。