好きと嫌いは紙一重

「おはよう。」







「おはよう。」








いつものように琉斗におはようを言って自分の席に行く。


いつもならそれから琉斗の席に行ったりするんだけど、今日はそんな気分にもなれなかった。





「おい、みんな席付け。今日は転校生を紹介するぞ。」






転校生なんて珍しいな、こんな時期に。






「桜野杏です。宜しくお願いします。」






昨日の女の子…?







「じゃあ桜野は神村の知り合いらしいから隣の席な。」






そして二人は仲良さげに話してた。
琉斗はそれを見ようともしなかった。





「ねえねえ!昨日の子だよね?」






「あ、うん…。」






「名前なんて言うの?」






「市原明梨…です。」






「あかりん!よろしくね?私のことは杏って呼んでね!」






明るく振舞ってくる杏ちゃんに少しイラつく。





「昨日、想からちゃんと聞いた?」






「え?」






ちゃんと聞いた?って何を?
私は一方的に距離を置いてしまった?



神村くんは何か話そうとしてたのかな。






「その様子じゃ話してないみたいだね…。んーと、じゃあ四人でサボっちゃお!」





そう言うと、杏ちゃんは神村くんと琉斗の手を取って屋上に引っ張る。





「ほらほら、あかりんも早く!」






そして、四人で屋上に来た。