好きと嫌いは紙一重

「…やっぱ落ち着くな。」







気づいたら私は屋上に来てた。
一番のお気に入りの場所に座って空を見上げる。





「…綺麗。」






思わず写真を撮る。





「何してんの…。」






「…なんで。」






私の目の前には、神村くんが立っていた。





「…急にいなくなるから、心配する。」







「…連絡してくれなかったくせに。」






「それは、その、」







「嫌ならはっきりいいなよ。」







「…考えてたんだよ、返事を。」







予想外の言葉に一瞬思考が停止する。
考えてた?返事を?

無視してたんじゃなくて?






「そしたら、朝になってて。まじごめん。」






「ぷっ、はは!神村くんってそんな純粋な人だったの?」






まさかそんなに真面目に考えてくれてるとは思ってなくて、逆に笑いが出てきてしまった。





「笑うな。」





「だって…」





神村くんを見ると、耳まで真っ赤になっていた。